ウィキッド ふたりの魔女|舞台超えの映像美と歌声レビュー
今この映画を見る理由
「緑の魔女の物語を知っていますか?」
長年待ち望まれてきた『ウィキッド ふたりの魔女』が、ついにスクリーンに登場しました。
友情や誤解、そして自己解放という普遍的なテーマが、音楽と映像の力によって豊かに描き出されます。
物語として追うだけでなく、その感情のうねりや余韻を、ぜひあなた自身の心で体験してみてください。
【ご一読ください】
本記事は、物語の核心部分には触れず、作品全体の空気感やテーマ性、鑑賞時の参考となる観点を中心に構成しています。
また、作品によっては、人間関係や社会的な題材、心理的な揺らぎを扱う場面が含まれることがあります。ご自身の感受性や鑑賞環境に応じて、無理のない形でお楽しみください。

参考レビュー:Cinema Today:映画短評星評価4.4(ライター5人)
総合まとめ
国内平均星評価:3.92/5
海外平均星評価:3.65/5
※このチャートは、確認できた国内外の評価サイトのスコアをもとに作成しています。
未評価のサイトは平均に含めていません。あくまで参考としてご覧ください。
あらすじ
魔法と幻想の国オズにあるシズ大学で、性格も境遇も正反対の二人の少女が出会います。
生まれつき緑色の肌を持ち、周囲から距離を置かれてきたエルファバと、誰からも愛される存在でいることを望む人気者のグリンダ。偶然ルームメイトとなった二人は、最初こそ反発し合いながらも、次第に互いの本質に触れ、特別な友情を育んでいきます。
やがてエルファバの秘めた才能が注目され、グリンダと共にエメラルドシティへ向かう機会が訪れます。そこで二人は、理想として語られてきたオズの在り方や、世界の仕組みに潜む違和感と向き合うことになります。その選択と決断は、やがて二人の立場や運命を大きく分かつことになっていきます。
後に“善い魔女”と“悪い魔女”として語られることになる二人の物語は、友情の始まりと、その行方を静かに描き出していきます。
ユニバーサル・ピクチャーズ公式 映画『ウィキッド ふたりの魔女』本予告
【ネタバレ注意】
※本記事では、登場人物や象徴的シーンに触れ、私なりの考察や解釈を掲載しています。これより先はネタバレになりますので、物語を楽しみたい方は鑑賞後の閲覧を推奨します。
待望の映画化、その瞬間の感動
映画の世界に足を踏み入れた瞬間、冒頭の旋律が胸に響き、思わず涙がこぼれそうになりました。長年親しんできた楽曲がスクリーン上の映像と融合することで、観客の意識は一気に物語の世界へと引き込まれていきます。鳥肌が立ち、胸が熱くなる冒頭のわずかな時間で、この作品への期待感が最高潮に達したと感じました。

エルファバとグリンダ、二人の魔女の対比
グリンダは太陽のように眩しく、社交的で、常に周囲の視線を意識している人物として描かれています。演出に長けており、「こう見られたい」という自己像を巧みに操作する姿が印象的です。一方でエルファバは、逆境に屈することなく、知性と精神力によって自らの道を切り開いていく存在です。その姿には自然と共感が生まれ、彼女の内に抱える強さと孤独が胸に迫りました。対照的な二人の性格が丁寧に描かれることで、物語への感情移入がより深まっていくと感じました。

舞台演出と映像美
図書館での歌唱シーンでは回転する本棚が用いられ、空間に流れる風の感覚までもが心地よく伝わってきます。クライマックスで、短いマントが空を舞いながら次第に大きく広がっていく演出は、エルファバの内面的な成長や心理の変化を象徴しているように感じられ、比喩的な映像表現に強く惹きつけられました。さらに、過去の舞台版キャストが登場することで、作品の歩んできた歴史と現在が重なり合い、特別な感動を覚える瞬間となっていました。
音楽が生む感情の波
エルファバの「Defying Gravity」は、裏切りや絶望、そこから生まれる新たな決意、そして希望といった感情が一曲の中に凝縮されており、強く心を揺さぶられます。エンドクレジットで流れる楽曲も深い余韻を残し、観客を静かに物語の世界へと導いてくれます。音楽と映像が一体となることで、物語に込められた感情の奥行きをより深く体感できたと感じました。

テーマと読者への問いかけ
「誤解される賢者」という普遍的なテーマが、本作では善悪や理解の難しさとして描かれています。
正しさや善意は、常に正確に伝わるとは限りません。その構図は、情報が断片化され、評価が一瞬で固定されやすい現代社会とも重なって感じられます。
もしあなたがエルファバの立場だったら、どのような行動を選ぶでしょうか。友情と裏切り、自己解放と社会の視線。その選択を追体験することで、観客は自分自身の価値観や判断基準を静かに見つめ直すことになるでしょう。
歴史的価値と過去作とのつながり
舞台版のキャストが映画に登場することで、長年この作品を愛してきた観客にとって特別なサービスとなっています。映画化によって映像美と音楽表現が加わり、舞台では味わえなかった臨場感や登場人物の心理描写の深みが増している点も、大きな見どころだと感じました。
🔗 関連作品・参考情報
🎬ジョン・M・チュウ監督
・過去作・関連作品:
-『イン・ザ・ハイツ』(2021年)
-『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』(2016年)
🎭シンシア・エリヴォ
・過去作・関連作品:
-『ハドソン・ホーク』(2020年)
-『ハリエット』(2019年)
-『ウィキッド 永遠の約束』(2026年公開予定)
🎭アリアナ・グランデ
・過去作・関連作品:
-『ヘアスプレー ライブ!』(2016年)
-『ウィキッド 永遠の約束』(2026年公開予定)
🎭ジョナサン・ベイリー
・過去作・関連作品:
-『ジュラシック・ワールド/復活の大地』(2025年)
-『ウィキッド 永遠の約束』(2026年公開予定)
公開日(日本):2025年3月7日
公式サイト:https://wicked-movie.jp/two-witches/
【次回予告】『室町無頼』
乱世の京に現れる無頼の者たち。権力に抗う激情と裏切りの連鎖を、大泉洋らが鮮烈に体現します。歴史劇の枠を超えた熱量に、あなたも飲み込まれる準備はできていますか?

