実話に基づく物語

映画『赦し』レビュー|心の奥に踏み込む全16章の考察と目次

映画『赦し』の考察・ネタバレありレビュー用アイキャッチ画像。暗い背景に柔らかな光が差し込み、錆びた鉄の扉と揺れるカーテンが描かれている。重厚感ある書体で「赦し」とタイトルが中央に配置され、「考察・ネタバレありレビュー」と読みやすく強調。赤いネタバレ注意帯と、薄く浮かび上がる十字架の影や鳥のシルエットが含まれ、作品の深いテーマを象徴している。
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はじめに

ひとを赦すとは、どういうことなのか。
赦さないとは、どこまでを含む感情なのか。

映画『赦し』は、ひとつの事件をめぐって交差する“感情”と“正義”のあわいを、静かに、しかし鋭くあぶり出していきます。

本レビューでは、元夫婦・克と澄子の視点を軸にしながら、物語の奥に潜む問いや、語られなかった沈黙、そして再生の可能性に至るまでを、全16章にわたって紐解いていきます。

感情と理性、言葉と沈黙、赦しと拒絶──
そのあわいに立ち止まり、思索を深めるための手がかりとして、本連載をお届けします。

出典:YouTube / A FILM BY ANSHUL CHAUHAN 公式チャンネル


あらすじ

  (以下、公式サイトより引用)

7年前に娘をクラスメートに殺害されて以来、現実逃避を重ねてきた樋口克(尚玄)のもとに、裁判所からの通知が届く。懲役20年の刑に服している加害者、福田夏奈(松浦りょう)に再審の機会が与えられたというのだ。
ひとり娘の命を奪った夏奈を憎み続けている克は、元妻の澄子(MEGUMI)とともに法廷に赴く。
しかし夏奈の釈放を阻止するために証言台に立つ克と、つらい過去に見切りをつけたい澄子の感情はすれ違っていく。
やがて法廷では夏奈の口から彼女が殺人に至った動機が明かされていく…

▶︎ 映画『赦し』公式サイトはこちら

章ごとの目次

映画『赦し』と静かに向き合い、言葉の奥深さを丁寧に掘り下げた全16章のレビューです。
気になる章から読むことも、最初からじっくり辿ることもおすすめです。

第1章:映画『赦し』の核心へと導く視点

第2章:「ありがとう」の不在─共感欠けた母・澄子の内面

第3章:失われた時間の中で──赦しの見えない道

第4章:感謝なき背中──届かぬ優しさに宿る苛立ち

第5章:克の「嬉しそうな再会」がもたらす違和感──“赦し”に潜む不誠実さ

第6章:殺人と赦し──倫理と感情のはざまで
 ┗ COLUMN:「“この子”“あの子と呼ぶ親たち──言葉ににじむ感情の断絶」

第7章:“赦し”を巡る沈黙──涙と語られなかった言葉たち

第8章:沈黙の正義──支援を受けることへの偏見と父の存在意義
 ┗ 考察ノート1:弁護士の仮面と“正義”の揺らぎ ── 操られた言葉が遺族を傷つけるとき
 ┗ 考察ノート2:“罪の波紋”はどこまで届くのか ── 加害者家族の自死と遺族の視線

第9章:語られた言葉の空虚──形式と“赦し”のすれ違いをレビュー

第10章:社会の無関心と「止められなかった責任」──誰もが問われる罪

第11章:演出としての“弱さ”──語り、酔い、立ち位置の曖昧さ

第12章:形式の仮面──語られる謝罪、語られない本音

第13章:凍結された父性──“やり直し”に執着する理由

第14章:形式を断ち切る一言──ささやかな正義の灯

第15章:離れて歩く澄子と克、ジグザグに進む未来

第16章:“DECEMBER”が灯すもの──映画『赦し』レビューの総括

『赦し』は現在、Amazonプライム・ビデオで視聴可能です。
静かに心に響く余韻を、ぜひご自宅でもゆっくり味わってみてください。

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このレビューを書いた人
高瀬 楓(たかせ かえで)
高瀬 楓(たかせ かえで)
映画と余韻のブロガー。  週末19時に更新中。
はじめまして。映画ブロガーの高瀬 楓(たかせ かえで)と申します。 「映画の余韻にじっくりと浸りながら、自分の視点で感じたことを丁寧に言葉にしたい」との思いから、映画レビューサイト《Silverscreen Pallet》を運営しています。 心に残るシーンやテーマを深く味わいながら、読者の皆さまの記憶に響くような記事をお届けできたら嬉しいです。

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